彼・・・私の天使。
天使の気持ち

1


 詩織さんを愛してる。いつからだろう。たぶん初めて会った時から……。

 僕の腕の中にいる彼女は思っていたよりもずっと華奢で、もっと強く抱きしめたら折れてしまうんじゃないかと思うほど。

 二十三歳の彼女も大切に抱きしめてあげたい。

 さっき後ろから抱きしめた時、震えた彼女は、まだ傷ついたまま。忘れたと言っていたけれど彼女なりの強がりなんだと分かってしまった。
 傷ついたまま一人で仕事を続けて来た。誰かを愛することもなく、誰かを頼ることもなく。

 明るくて、優しくて、繊細で、大人なのに、とても可愛くて……。守ってあげたい。

 やっと彼女をこの腕の中に抱きしめることが出来た。このまま僕の全ての優しさを懸けて彼女の全てを愛したい。
 でも彼女は、自分でも気付いていない。昔の愛に傷ついたままでいることに。

 僕は待てるから。もっとたくさんの愛で癒してあげる。あなたの心の傷がきれいに跡形もなく消えるまで、ずっと傍にいる。僕の生涯を掛けて愛すると誓うから。
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