彼･･･私の天使。

2

　マンションに帰って、とりあえずお風呂。大掃除だからって、そんなに汚れた訳でもないけれど。バスタブのお湯に浸かって気持ち良い。一年分の疲れが全部、取れていくよう。

　とにかく明日から、お休み。予定は何にもないけど、やっぱり、お休みは嬉しい。お風呂から上がると携帯が点滅してる。誰から？　天使からメール。

『年末年始、お休みなしです。塾の受験生の合宿があるので。会いたいのに寂しいよ……。もし時間が取れたら、またメールします』

　返信……

『大変ね。でも受験生のために頑張ってね。先生！　私は特に予定もないから時間が空いたらメールしてね』

　お正月もなしか。忙しいんだね。もうすぐ受験の季節。みんな頑張ってね。

　さぁ何を食べようかな。寒い夜、お鍋でもしたいけど、一人じゃね。

　なんて考えてたら着信音、玲子から
「私。ねぇ明日、予定ある？」

「掃除して買い物に行くくらいだけど」

「一緒に年越ししない？」

「いいわよ。じゃあ、お鍋の支度して待ってる」

「嬉しい。七時頃には行けるから。じゃあ明日」

　四十路女二人で年越しか。まぁ、いっか。一人よりは、ずっといい。お鍋も出来るし。