キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
休みの残りは、借りたDVDを一緒に観たり。必要な買い物以外は、出かけることもしないで巣籠りしてた。

二人とも自分の部屋じゃなく、電子書籍で漫画を読むのも、ノートパソコンいじるのも、お互いに別のことをしながらリビングで顔をずっと合わせる。

傍にいないと寂しくなるから。

隣りに寄り添って。

あたし達は優しく傷を舐め合う。

心地いい。あったかい。

一生『ここ』から出たくない。ミチルさんの慈しみの檻から。



飛び立つ羽なんて要らない。折れたままでいい。
これがあたしのシアワセ。


お兄ちゃんは。たとえ望んでないとしても。



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