キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
淳人さんは傾けた眼差しを細め、あたしをじっと見た。

「もう三年か。・・・・・・早いな」

「・・・そう、ですね。気が付いたら三年ですけど、長かったのか短かったのか良く分からないです」

今でも。あやふやな感じだ。
もういないって現実は分かってる。頭じゃ理解できてる。だけどどっか、受け止めきれていない気もする。
目には見えてないけど、いつも傍にいてくれてるって。ずっとそんな感覚だからなのかも知れない。
曖昧に笑みを浮かべ、正直に答える。

そうか、と短く言ったきり、彼は黙ってウィンドウの外に視線を向けた。
あたしも同じようにそうして、スモークガラス越しの景色を眺めていた。
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