ビロードの背中

アタラシイワタシ

月曜日、出社して松永を給湯室に呼び出した。

いよいよ給湯室デビューする。


「松永、私、分かったんだけど、ヒーローの男の子って

まつげが長くて背中がすっごくキレイでしょ。」


「う~ん、ヒーローの背中まではちょっと気がつきませんでした。

・・・って言うか姉さん、あっ係長、

私今日 朝から会議資料作ってて忙しいんですよ。

後で聞きますから。

ただ、姉さん今日・・・感じが違う。」


「――そう?」


「なんか・・・きれい。」 


松永が出て行った。


短い給湯室デビュー、終了――。



でもこれで充分。

正直、詳しく話せる訳でもない。

私も仕事に戻って行った。








< 151 / 201 >

この作品をシェア

pagetop