ビロードの背中
「――係長!

住吉さんと付き合ってるんですか?!」


正直、悪い気はしなかった。

私も仕事をバリバリこなす住吉は素敵だと思っていたし、

最初から惹かれていたのかもしれない・・・。


また会社に電話をしてきては、私を積極的に夕食に誘い、

レストランも、場所・店・味・値段など私を満足させ、

女王様気分にさせてくれた。

話題も豊富で、私を退屈させなかった。



『彼』は、私の話や愚痴を静かに聞いてくれた。

時々「そっか。」と相づちを打ちながら・・。

住吉は、さりげないリップサービスで私を褒めて励ましてくれる。


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