ビロードの背中

タビノハジマリ

11:00に駅で待ち合わせした。

10:50。

時計を確認した。

彼はまだ来ていない。

・・・まずは謝ろう。



「――姉さん。」

10:55、彼が来た。

長袖のTシャツ。

ファスナー付きのカーディガン。

チノパン。

ニット帽を深くかぶっていたので、声を掛けられるまで分からなかった。

「こんにちは。

・・・出発時間、ごめんね。」


「大変だったね。」


優しく笑ってくれる。






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