12月の春、白い桜が降る。

｢好きなんだ。付き合って欲しい。｣

私は呆然としてしまった。

バイトの先輩…、古谷先輩からの告白だった。

今まで私のことを好きでいてくれたなんて一ミリ足りとも気が付かなかった。

しかし、私にはようがいるし、ようしか好きではない。

断らざるを得なかった。

｢ごめんなさい、古谷先輩。私彼氏がいるんです。｣

それを聞いて古谷先輩は笑って、

｢仕方ないね。急にごめんね｣と言ってくれて、少し申し訳なくなってしまった。

古谷先輩は一年前からずっと世話になってる先輩で、とてもいい人なので私なんか好きにならずに、

他の人と本当は幸せになって欲しい、辛い思いをして欲しくはなかった。