12月の春、白い桜が降る。
秋は切なく
夏休みが終わって一週間くらいたった頃、ひなたからの電話が来た。

夜の九時半くらいで、声が震えているのが電話越しでも伝わってくる。

「よう急にごめん、私今ストーカーされてるの…。」

背中に悪寒が走った。

ひなたから今いる場所を聞いてすぐにその場所まで走った。

中学の頃陸上で短距離をしていたため、脚には自信がある。

久しぶりに全速力で走り続けた。

電話で明るい場所へ行くように誘導したため、おそらくそこにいるはずだ。

駅の近くの、割と大きめな商店街にひなたは立っていた。

周りに人もある程度いるし、無事なようだ。
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