強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました



 真剣な表情でそういう花巻だったけれど、秋文は顔を歪ませて苦笑するしか出来なかった。


 「今は遠いところにいるんです。それに、今はサッカーを頑張ってるところをあいつに見せるだけですよ。」
 「………あんな魅力的な女を、周りが放って置かないと思うけどな。」

 
 その後、秋文がいない間の会社の進め方などを話して、花巻は帰っていった。「何かあれば時差関係なく電話するからな。まぁ、海外でも会社の製品をアピールしてくれればそれでいいよ。ボーナスアップを期待する。」と言ってくれた。


 会社を任せるのだ。他になにか条件を付けてもいい程の仕事量になるだろう。それなのに何も言わない花巻はお人好しだと改めて思いながら、帰国してから沢山お礼をしようと決めた。

 前から話していたこともあり、チームとの話し合いもスムーズに行い、来年度からはスペインのチームに所属することが決まった。



 けれど、花巻の残した言葉は、秋文を不安にさせたのであった。





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