シタイカクシ
昼ごはんも食べ終わりビル内を見た。午後15時ごろだが帰宅する。

暇だからじゃない。


『シタイカクシ』があるから。


こんな噂なければもっと外で遊べるのにな。洋服屋も雑貨屋も観れるのに。


車の中でため息をつく。

「はぁ」

「どうしたの、美沙」

母が心配そうな声で応答する。

「シタイカクシの噂がなかったら早く帰らなくてもいいのにって思っただけ」


母は笑った。

「お母さんも子供の頃同じこと言ったわ。でも、噂を聞いて見にくる不審者も居たのよ。だから日が落ちる前にお家に入るの」

確かにそうだ。美沙たちが住んでいる村は何にもない。だから村の外から来る人なんて見ない。新しく住んだ人の話もほとんど聞かない。



子供の頃から知らない人には挨拶しない。声かけられても無視をしなさい。近づかない。キツく言われた。
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