先生と17歳のあいだ
1: 梅おにぎりと七色混ぜごはん



たしかキッカケは小学校の時の作文発表会だった。


元々人前に出るのは得意じゃなくて緊張しいだった私。もちろん前日は眠れずに本番は大失敗。

手に持っていた作文は落とすし、声はひっくり返るし、さらに恥ずかしさ顔はリンゴのように真っ赤っか。

案の定クラスメイトたちからは笑われて、私はそのまま貧血で倒れて保健室へと運ばれた。



その出来事以来、すっかり性格は引っ込み思案になってしまい、今ではもっと重症化。

人の目を見て話すこともできないし、話しかけられればたちまち身体がガチガチになるし、教室では誰とも馴染まずに空気のように過ごしていた。



「じゃあ、次。的井六花(まといろっか)さん」

「……はい」


私は名前を呼ばれて、自分にしか分からないような声で返事をした。



今日は新学年になると必ず行われる身体測定の日。


たしか去年も同じ時期にやった記憶があるけど、私は今と同様にひとりで列に並んでいた気がする。


高校に入学して一年が過ぎ、今年で二年生を迎えた。


変化したことと言えば教室が2階になったことと、くじ引きの席替えで運よく窓際の席になったこと以外は特にない。


身体測定で測ってもらった身長も体重も座高も去年と同じ。


移り変わっていくのは季節だけで、私は本当に変化のない人間だと思う。


< 1 / 334 >

この作品をシェア

pagetop