先生と17歳のあいだ
8: 星空の告白と近づく関係
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次の日。私は一睡もできなかった。
というか、思い返してみるとなんて大胆なことをしてしまったのだろうと、顔から火が出るほど恥ずかしい。
毎日作ってるはずのお弁当の卵焼きが焦げてしまい、まるで私の心みたいに。
作り直す時間がないのでそのままお弁当を包んでいると、付けっぱなしにしていたリビングのテレビから街頭インタビューのようなものが聞こえてきた。
「やり逃げってマジでないよね」
「うんうん。されたほうの気持ちを考えろって感じ」
グサリと身に覚えがありすぎて言葉が胸に刺さる。
煩悩を消し去ろうと思っても般若心経が分からないので、とりあえず私は遅刻しないように家を出た。