先生と17歳のあいだ
10: 先生と17歳のあいだ
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決心してからのスピードは目まぐるしかった。
まずは自分の学力と見合っている高校を選び、転校に必要な書類をあちらの学校に問い合わせた。
ちょうど4月からの三年生で欠員が1名だけいたので転校希望の旨を伝えると、すぐに今月末に行われる転入学試験を受けることになった。
そして私はお母さんと羽田経由で女満別(めまんべつ)空港に降り立ち、希望する学校で試験を受けた。
定員は一名。試験を受けにきたのは私を入れてもうひとりいた。
緊張しながら、とりあえず多目的教室の広い空間で試験が開始された。
一時間目は国語。二時間目は英語。三時間目は数学。最後は面接という流れだった。
試験は今までの勉強の基礎的なものだったので難しいわけではなかった。
けれど、ほとんど試験勉強する時間がなくて元々苦手意識がある英語は自信がないけど、郁巳先生の科目である数学だけは完璧にできた。