好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
大人になったあいつ
あれから四年の月日が経ち、俺たちは二十歳になった。

俺は結局、地元の大学に進学した。



東京の大学に行ってもあいつに会える訳でもないし、あいつの夢を邪魔するようなことはしたくなかった。

俺は待ち続けるとほのかに約束した。



この家に住んでいたら、またあいつがアポも取らずに押しかけてくるのではないか。

家のインターホンが鳴る度に、期待してしまう自分がいた。



あいつは国民的アイドルになったsnow mistの絶対的センターとして活躍していた。

あいつのCDやDVDは全て購入し、テレビ番組も観ていたが、現場に押しかけるようなことはしなかった。

あいつのことは、目立たないようにひっそりと応援していた。
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