好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
本当に寂しくないやつは、自分から『寂しくない』とは言わないだろう。

やはり、ほのかは寂しいのだろうか。



『寂しくなったら、いつでも連絡しろよ』

俺が送ったメッセージに、ほのかは『ありがとう』の文字とともにさっきのふわふわしたウサギのキャラがお辞儀するスタンプを送ってきた。

まるであいつがお辞儀しているように見えて、俺は思わず頬がゆるんだ。



窓の外には、駅から走っていく新幹線が見える。

その新幹線にあいつが乗っている訳ではないが、新幹線が走り抜けるのを俺は目で追いかけていた。
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