好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「なんとか連絡とれない?同窓会とかないの?
俺、最近snow mistのファンクラブに入ってさ……」

こいつ、どれだけほのかに会いたいんだよ……
諦めの悪さに頭が痛くなってきた。



「……いや、無理なものは無理だし」

「そこをなんとか頼む!今度何かおごるから」

赤の他人なら簡単に断われるが、相手はこれから一年間同じ教室で過ごすクラスメイトだ。

俺に両手を合わせて頭を下げるクラスメイトに、どう答えればいいのだろう。

頭を抱える俺の前に、一人の女子生徒が現れた。



「蓮見君、ちょっと手伝ってくれない?
あれ、職員室まで一緒に運んでほしいんだけど……」

優等生の笹川も、本当にN高校を受験していた。

しっかりものの彼女は、高校生になってもまた学級委員に選ばれていた。
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