好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
グラビアを飾ったあいつ
あいつに拒絶されて、人生最悪の誕生日を過ごしてしまったが、数日経ってやっと気分が落ち着いた。



あいつに、何かあったんじゃないか……

冷静に考えられる自分を取り戻した。



学校でもあいつのことが気になって仕方がなかったが、授業中にスマホであいつの情報を調べる訳にはいかない。

授業が終わると、俺はまっすぐ家に帰った。



母親がパートに出ている間は、リビングを占領できる。

俺はテレビをつけて、録画しておいた深夜番組を再生した。



毎週出演しているバラエティ番組だが、今日のほのかは元気がなかった。

他のメンバーがハイテンションで会話しているのに、あいつは全く口を開かない。

心がここにはない感じで、ポツンと隅に座っていた。
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