わたしは君を忘れない

メアド

朝は憂鬱ー
ガラガラガラッ
朝だからか教室には三四人くらいしかいない。
ま、いようがいまいがわたしには関係ないけど。
─早く昼休みになんないかなー
そんなことを思いながらわたしは
いつも読んでいる一冊の本を手に持ち
読み始めていた。
その時、
ガラガラガラッ
『花瀬ー、いるか?』
え、わたし呼ばれてる!?って瀬戸くん?
『あ、いた。ちょっと来て』
そういい手招きされたので仕方なく
行くことに決め、本に栞を挟んで彼の元に行った。

一体どうしたんだ
『あの、瀬戸くん』
『んー?』
『わたしなんで呼ばれたんですか?本読んでたんですけど』
『はは、素直だな。呼んだのは用があったからだよ』
用?なんだろう
『連絡先、教えて』
『え?』
『連・絡・先』
『な、なんで』
『ん?仲良くなりたいからに決まってんじゃん』
ドキッ
なにドキドキしてんのよわたし。
『いいですけど』
『やった、サンキュー』
そうして瀬戸くんとメアドと連絡先を交換した。
『じゃあまた昼休み図書室でな!』
『はい、また昼休みに。』
そう言い、彼は去っていった。
結局用は連絡先を知りたかったから呼んだだけか。
ふふっ
あれ?わたしなんで嬉しいって思ってるんだろ
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