one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜
どうしようもなくなって、気付けば理玖くんに向かってそう叫んでいた。
壁に貼り付いたまま、プルプルと首を振って近付く理玖くんを拒絶する。
でも、理玖くんはそんな私を無視して目の前へと迫りくる。
いや……来ないで……。
こんなのバレたら……絶対嫌われちゃう!
視界が潤む。
やって来てしまった理玖くんの顔が、水面に浮くようにゆらゆら見えた。
「何やってんだよ、いきなり」
状況をわかっていない理玖くんが私へと手を伸ばす。
壁から必死で離れないようにしている私を、理玖くんは探るような目をして見つめる。
伸ばした手で二の腕を掴むと、グイッと壁から私の体を引き離した。
「イヤっ!」
最後の抵抗でそう声を上げた時、目にした理玖くんは私の隠したい部分を発見していた。