one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


え……?


「何やられっぱなしになってんだよ?」

「えっ……」

「もっと騒ぐとか暴れるとかさ、してくれないわけ?」


してくれないわけ、って……なっ、何ですかそれ⁈


「あぁ、なるほど……これくらい何てことないって感じ?」

「えっ、そんな、私はっ」


とんでもない!


心臓なんか爆破寸前だったわけで、何てことないなんて私には程遠い話。

むしろ、暴れて拒否するほどの余裕が逆になかったくらい。

でも、理玖くんの勘違いに否定するセリフが思いつかない。

そうこうしているうち、理玖くんの手がまた私の背中にもぐり込む。

ビクッとして目を見開くと、理玖くんが意味深に微笑んだ。


「……ここのホックとか外したら、暴れたりしてくれる?」


……?

へっ! うっ、うそぉっ!

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