one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


どういう風の吹き回しかは未だ謎だけど、純太は桃香が好きだと俺に告ってきた。

俺の認識が正しければ、それまで純太はこころが好きだったはず。

別に直接聞いたわけじゃないけど、態度を見れば間違いなくそうだった。

いつどのタイミングで気移りしたのか知らないけど、こころから桃香へ乗り換えた……。

そういうことになる。


でも何で、それを俺にわざわざ宣言してきた?


「なぁ、桃ちゃんどこにいんのかな?」


ぼんやりとそんなことを考えていると、純太が桃香の行方をきいてくる。

そういえば、今日は朝出欠を取った時から見掛けていない。


「……さぁ? どっかで特訓してんじゃない?」

「えっ、俺も桃ちゃんと合わせてやりたいのに!」

「じゃあ、見付けたら言っといてやるよ」

「あっ、おい! どこ行くんだよ?」

「……学祭終わるまでサボる。また終わったらな」

「え、観ねーのかよ、俺の迫真の演技!」


観ねーから、普通に。

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