大江戸シンデレラ

「ま、松波様……め、面目(めんぼく)のうごさる」

「吉原に配されて浮き足立ち、つい羽目を外してしまったがゆえのことで……」

「我ら、悪気があってではこざらんゆえ……」

何卒(なにとぞ)……御目付役の同心には、御内密に……」

「もし、表沙汰にならば『御家(おいえ)』の一大事になるゆえ……」

(あわ)てふためく男たちは、知らず識らずのうちに物云いが改まった武家言葉になっていた。


「……起っきゃがれっ」

兵馬が大音声(だいおんじょう)で制した。

「おめぇら、この期に及んで、まだ言い訳する気か。それでも御公儀から御役目を賜り、(ろく)をいただく身か。恥を知れ」

< 23 / 460 >

この作品をシェア

pagetop