停留所で一休み
「出海だって、婦人会の集まりにいたくないでしょ?」

母は、呆れ顔だ。

「そりゃあ、そうだけどさ…」

「はい。これあげるから。」

母は居間の棚から、大きな瓶を持ってきた。

「なにそれ。」

「ビタミン剤。これで二日酔いも良くなるし。」

私の前にドンと瓶を置くと、母は二カッと笑った。


「分かったよ。」

そこまでされたら、外に出るしかない。

私は瓶の蓋を開けて、ビタミン剤を2、3錠、口の中に放り込んだ。

「夕食までには、戻るのよ。」

母は、玄関に向かう私の肩を叩いた。

「いくつだと思ってるの?」

返事をしながら、私は靴を履き、家を出た。


「うう~気持ち悪~。」

無意識に港へ向かって歩いていたと思う。
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