停留所で一休み
今、目の前で起きている現状を飲み込めない私に、この沈黙は、何を言われるよりも辛かった。


「俺達、このままずっと一緒にいても、無駄だと思う。」

無駄?

その言葉が、胸に突き刺さった。

「お互い、もっと自分の事を、理解してくれる人を探そう。」

優しい振りをした、帝の言い断り文句に、一瞬で、目の前が暗くなる。

今から?

もう30にもなる今から、他の人を探せって?

「それこそ無理だよ……佳樹。」

「そんなことないって。出海なら、すぐに見つかるって。」


いつもの彼なら、”出海みたいなガサツな女、相手にするのは俺ぐらいだろうな”と、優しく微笑みながら言ってくれたのに。
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