停留所で一休み
「よし。乾杯しよう!」

調子に乗って、妙なテンションになる。

「何に?」

一香の素朴な疑問。

「じゃあ~、和香の誕生を祝して!」

私がコップを上げても、他の3人は、静まり返ったままだ。

「えっ?何でみんなやらないの?」

「今更でしょ。」

「あっ、そう。」

コップを下に下げ、私がしょげていると、代わりに克己がコップを上げた。

「それでは、姉ちゃんの帰郷を祝って……」

「何じゃ、そりゃ。」

克己に突っ込みを入れる。

「まあまあ、滅多に帰って来ないんだから。」

一香が、逆に私に突っ込む。

「あ~ら、ごめんなさいね。」

「とにかく、乾杯!!」

克己の乾杯の音頭に、4人でコップを鳴らした。
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