星屑が消えた日



駅を降りて5分くらい歩くと、白を基調とした不良校とは思えないほど綺麗な校舎が立ち並んでいた。


知り合いなんてこの高校にいるわけもなくて、私が決めたことだけど寂しいなあって思ってしまう。


「たち、ばな?」


ふと名前を呼ばれて振り向くと、ゴツく若々しい体型の先生が切れ長の目を丸くしてこちらを見ていた。

すみません、どちら様です?

「あ、すまねえ。
俺は1年2組…お前の担任で荻(おぎ)だ。
橘の兄さんとは同級生でな」


「兄の…」


「目元がそっくりでな、あいつが生き返ったのかと思ったよ」


なんとも言えぬ顔で笑う先生は、懐かしむように私を見るがどう返していいか分からず苦笑いになってしまう。

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