恋する24時 2

 ハッ、しまった

 またダメ出しされてしまう?




「……はい? 何でしょう?」




 包丁を片手に、野菜を切っていた

 加藤部長が

 諦めたような、泣きそうな顔で言う。




「……俺、三ヶ月、持たなかったらゴメンね?」



「えっ?」



 それって?

 どう言う意味でしょうか?




「……」
「……?」




 怖くて聞けないまま、なるべく無表情で

 わたしたちはシチューを作り

 なるべく無言で食べ終えて

 タクシーで家に帰った。



 せっかく作ったクリームシチューだったのに

 全然何を食べているのか

 わからなくなってしまって困った。



 加藤部長も、そうだったんだろうか?

 リクエストしたのに

 気まずそうにしながら食べていた。



 お話して食べるのが楽しいのにな

 何だか、ふぇろもん対策なのに

 寂しく感じてしまう自分がいる。



 こんな感じで三ヶ月

 お互いのおケイコを続けられるのか

 不安になってしまった。



< 177 / 186 >

この作品をシェア

pagetop