恋する24時 2

 ランチを終えて経理フロアへ戻ると

 ちょうど13時前後、お昼の人の入れ替えで

 人影もまばら。



 わたしは、自分の席について一息つく

 この会社に入って三年

 加藤部長に指摘された様々な事を思い出し

 無事でいられた事に感謝してみる。



 今まで、経理は、ほぼ女の子が多くて

 上に数人のおじ様ばかりだから

 会社でセクハラめいたことは

 言われることはあまりなかった。



 わたしは中途採用で、同期と呼べるのは

 女の子では

 同じ中途採用の芽依くらいしかいない。



 だから事件の起きやすい飲み会も

 年に数回の経理メンバーくらいだし。



 女子会も経理の仲の良い子ばかりで

 合コンに誘われることも減った。

 もう、行くことはないけれど……。



 そのおかげで、会社では助かっていたのかな?



「月森さん、お使いを頼みたいんだけどいいかな?」



「はい」




 白崎主任に呼ばれて、わたしは

 あわてて席を立って主任のデスクへ向かった。



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