色付く世界の真ん中で


ひとだった頃
私の親はよく私を殴っていた

小学生の時
冬の夜にベランダに閉め出され
雪が降る中、私は空を見上げ
静かに泣いた

いつか、きっといつか
幸せになれると信じていた

そして、眠るように
目を閉じて
再び開いた時には
私は死んでいた

ゆく宛もなくさまよう中
母が病気になった
いや、なったというよりは
再発した
と言った方が良かったのだろうか

父は、母を
献身的に看病した

その時私の体は
燃やされ、白い箱の中に
詰め込まれていた

誰も泣いていなかった
でも私はそんなこと
ちっとも気にならなかった
当たり前なんだと思っていたから

母はだんだん動かなくなった
父は昼夜問わず働き
余った時間は母に会いに行っていた

二人とも、何かに縋るように
生きているようだった


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