僕は彼女の名前をまだ知らない
そうして考えているうちにも、アイスは僕の手から足へ、そしてアスファルトで蒸発し......を繰り返している。

とにかく、着替えなければ。

僕は、とけたアイスをバーから吸いとって、言った。

「ごめん。僕、着替えたいから帰るね。
あ、あと、僕は、このアイスがとけたことは君のせいだと思っているけど、さっきはごめん。じゃあね。」

僕は、もう二度と会わないであろう彼女に別れを告げた。




しかし、その後僕の鼓膜を震わせた声に、僕はここ3ヵ月で一番といってもいいほど驚いた。(彼女には悪いが、3ヵ月前にテストが平均点以下だったときよりは驚かなかった)
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