僕は彼女の名前をまだ知らない
「ぜーったい、涼むだけ。ちょっと涼むだけだよ!」
「...ありがとう。」
彼女のありがとうはすごくきれいだった。




「ねぇ、いつから外いたの?」

「あー私は7時くらいからかな!」
...ん?元気じゃない?


「えっ?今元気?」

さっき彼女がしんどいと言ったのは、僕の空耳?

「しんどいよ。目眩してるよ。
だけど病は気からって言うじゃん?まあだから元気でいよっかなー?って。」
「はっ?強ー!」
「プライドだよプライド!」


僕にはプライドというものがない。
顔は普通。イケメンでもブサイクでもない。
成績は平均以外とったことのない、逆に珍しいタイプ。
運動神経がないとバレない程度の運動神経のなさ。

僕には目立たないという選択肢しかない。
したがって、プライドはあるだけ無駄だ。
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