赤髪とホットミルクと。
奇跡とは

さよなら恋心、こんにちはお兄さん






いつも通り一緒に帰ろうって呼びに来ただけなのに。


「あ、彼女できたからもう無理」





………………………なんでこんな苦しいんだろう。












「、そっか分かった。」

「ごめんな、気を付けて帰れよ?」

「…………うん」








今なんでこんなに心臓が痛いんだろう。どうしてこの男に彼女が出来たことに落ち込んでいるんだろう。なんとなく気づき始めた答えをかき消すように校門を全力で飛び出した。















木野彩日、高校2年生の16歳。

思い描いていたキラキラ華やかな女子高生ライフの1つ、彼氏とぬくぬくな冬を過ごすという夢は先程一瞬にして崩れていったらしい。




勉強はそこそこ頑張ってきたし、生徒会活動だってしてる。スポーツはあんまり得意じゃないけどとにかく出来ることは常に全力でやってきた。


それも全ていつかの誰かが「全ては自分に返ってくるんだよ」とか言ったのを未だに信じているからで、さっきのアレはどういうお返しなんだろうかと門を出てどこに行くかも分からない足取りの中100回は繰り返し自問したと思う。
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