夜のしめやかな願い

「なに?」

じっと見つめていたのを悟ったのか、少しうっとおしそうな声。

さゆりは最大限に今の恵まれた待遇を生かそうと思って、鼻を宗臣の頬に押し付けた。

「もう一回、したい」

うわー、照れる。

ってか、豚が良く言うよって感じ?

さゆりは耳が熱くなる。

軽くため息をつく音がすると、あごをつままれてくちびるが重なる。

さゆりは驚いて、伏せられたきれいなまつげを見つめた。

やっぱり、これは甘やかされてはいるのかもしれない。

それは、妹のようなものとして。
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