今日から夫婦を始めました
「あー、なるほどね」

私は首を縦に振ってうなずいた。

相手が悪い人でないにしろ何にしろ、私も本当は不安で仕方がなかった。

「だけど、知っている人でよかったよ。

しかも相手は小学校時代の同級生、これで安心して手を組めるよ」

「はっ?」

言っていることがよくわからなくて、私は首を傾げた。

「安心して手を組めるって何よ」

犯罪の片棒でも担ぐ気か?

「だって、神田川は仕事を辞めたいから結婚したいんだろう?」

そう言った北居くんに、
「掲示板にも書いたし、メールでも理由を話したからね」

私は首を縦に振ってうなずいた。

「北居くんはカモフラージュの妻が欲しいから、なんだよね?」

そう聞いた私に、
「ああ、そうだよ」

北居くんは首を縦に振ってうなずいて答えた。
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