スウィート&ビター
私は、早めに話を済ませ、電話を切って階段を降りた。
下の階にはお姉さんがいた。
お姉さんは私を見ても何も言わなかった。
まるで空気のように。

お姉さんは、小さい頃から私になんだかんだ冷たかった。
母から聞くと、お姉さんは成長途中で感情が欠如してしまったとかなんとか。
でもお母さん....?
笑っているお姉さんを私は一度見たことがあるんだ。
私の先輩、身長が高くて、少し残虐的な人だった。

だからきっと、私に何か隠しているんだ。
私はそう思って納得していた。
納得せざるを得なかった。

小さいながら私は何でもかんでも一人で考え、自分で決めてきた。
だから今に至る。
だから私は何を言われたってどうってことないのだ。
だって慣れていることだもの。

私は食事を早々に済ませ、お風呂に入り、眠りについた。
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