スウィート&ビター

それからはというもの3人で攻守交代しながらサッカーを楽しんだ。
私は楽しくて楽しくて、
自然と笑顔になっていた。

先生はその姿を見ていた。

…。

私にしては珍しいのだろう。
いつもはあんなに冷たいような子なのに
だとかも思われているかもしれない。

私は別に心の奥底から冷酷だとか、
そういう訳じゃない。

ただ…。
自分の感情をあらわすのが苦手なのだ。

上手く伝えようとしても、
間違ってつたわってしまうことが
多々あった。

だから私は、自分から関わることをやめた。
表面上の付き合いは、嫌いなのだ。
特に、先生との付き合いは…
ごまをスったり、ご機嫌とり…。
まさに表面上としか言えない。

だから本当に、
太陽のような存在は、
有難いものだ。

私のようなものにまで
優しくしてくれるのだから。

私はよき友達を持てた。
良かったものだ。

しばらくして、あの先生にあの担任が寄ってきた。

あー、太陽のことを見ている。
狙っている。
全く怖いものだ。

まぁ、癒しの存在であることは、分かる。
否定はできない。

あの先生達は仲がいいのだろうか。
いや、ただ単にあの担任が
ウザ絡みしているのか。
でも仲良さげに見えるその2人は
話をしていた。

…とっ、そんなことに
気にしているより、
ボールがまた回ってきた。

そうこうしているうちに、
楽しいその時間は
終わってしまった。

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