スウィート&ビター

「月の王子...。」

次の授業は音楽だった。
私達は、早く授業の準備をして
音楽室に向かっていった。

音楽室に行ってみても、あの小さな先生はいなかった。
そしてチャイムが鳴った。
小さな先生は遅れて音楽室に入ってきた。
急いだ様子で、少し息切れしていた。
そして遅れた旨を簡潔に話すと
いつも通り号令をした。
そして小さな先生は小動物のように
あたふたして何かもの言いたげにしている。
先生はその小さな口を開いた。

プリントを配るのを手伝って欲しいらしい。

でも誰も手伝おうとするものはいなかった。
後ろの席の子と話をしたり、紙飛行機を作っていたり自由気ままなのだ。
だがその中で月は気だるそうに立ち上がった。
皆の目線が月に言った。

月は先生に対し、俺が手伝います。と言って
プリントを受け取ろうとした。
すると先生は笑顔になって
ただ、ありがとうと口にした。
プリントを手渡した。

先生はピアノの前に向かった。
椅子に座ろうと小さな体で頑張って座ろうとしていた。
この光景はまるでハムスターが登ろうとして登れないみたいじゃないか...。
とインスピレーションが....。

なんて可愛いのだろう。
私はしばしその光景を見ていた。
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