俺のまさかの溺愛狂想曲

誤解は難解

飛行機を降りたら南国の風が吹い
ていた。爺さんがこの土地を離れ
たくない気持ちも良くわかる。



思わず深呼吸したくなる。


ハワイの人達は明るいし、
大らかだ、気持ちもゆったりと
なっていく、南国の風のせい
だろうか?


空港を出て迎えを待っていると
幼なじみの桜が、爺さんと現れた。
 


「光寿郎ー。」
 爺さんがデケエ声で叫んでいた。
 クスクス笑う桜を見て驚いた。


遠い昔のお姫様は凄く綺麗になっ
ていた。


腕下までの黒い髪は緩やかな
カールが揺れている。
黒い瞳は優しく微笑んで本当に
綺麗だ。



スタイルバッグンの体系を見せ
つけるようなミニスカートは、
狼君が起きそうになる。
俺より、1コ上の31歳。
もしかして年上好みになったのは
彼女のせいかも知れない。



俺の事は、何もかもやってくれた。
俺がやりたくないこと
苦手なこと、めんどくさい事全て‥。



「なんじゃあ 光寿郎、儂より
桜がよかったか?美人になった
じゃろう。」

俺によく似たじいさんは呑気に
笑っていた。


     「光寿郎久し振りね
      会いたかったわ。」

「ああ、桜 俺もあいたかったよ。
 本当に美人になったな!!」



俺と桜は、結菜のカウントも、忘れて
強くハグを、する。

「ハッハッハ、若いのう。
 儂は花屋に寄ってかえるよ。
 婆さんが機嫌わるくてのう、
 婆さんの好きな薔薇を買って
かえるよ。
お前達も久し振りなんじゃから
 ユックリしてきなさい。」



爺さんは俺らを置き去りにして
50代の男等を数人引き連れて去っ
て行った。



一応ホテルにかえって、シャワー
を浴び。夜、桜と食事に行く約束
をした。


幼なじみなんだから、良いだろう。
どうせ結菜は日本だし、わからない
結菜のカウント2アウトだ。




 食事中たのしかった。
 昔話に花が咲いた。



少し心が痛んだし、結菜の怒りの
微笑みが心をむしばんできたので
桜と食事済ませ、酒も飲まず
バーにもいかず‥直ぐホテルに帰った。



結菜に桜の話しをしたら、ラインが
帰って来ない。


まあ、見られてる訳でもないし
少しぐらいハネのばせそうだ。


後でご機嫌とっちゃえばOK 。



長崎の 産みたて玉子プリン 
あれがあれば結菜のご機嫌は治る。
ヨッシャア



次の曰も朝から結菜に電話で
連絡取るが返信は来ない。

なぜか桜がいっも隣にいる。



正確には爺さんのそばに桜がいる
のだ見ようじゃ、俺が桜を、
エスコートしてる
と勘違いされても仕方がない。


ひさしぶりの友人達と再会した。


ワイワイやって、桜と俺がつき合っ
てると勘違いした奴らは冷や
かしてくる・・・

違うと言っても、
照れるな、照れるなのオンパレード
めんどくさいけど一応否定はした。


会場が、お開きになり、長い
パーティーは、おわった。
せっかく合った友人ひきつれ皆と
遊びに出た。



少し飲み過ぎたが何とかホテル
まで帰った。結菜に連絡すること
なく寝てしまった。
結菜のカウント3アウトー



どうし…たらzzzオレ‥はあzzz
約束ま‥もれないzzzだろう?

昨日飲み過ぎたせいで、起きたのは
昼過ぎだった。

婆さんと爺さんは空港まで家政婦
さんや関係者を、送りに行ったようだ。


フウ~ッ、アレ! ピカピカ携帯が光っている。
フフン、結菜だな。


「やっぱ、寂しくなったんだな?」

鼻歌交じりにニヤニヤしながら
開けて見た。

青い空と太陽がまぶしーい。


結菜と表示された画面は待ち受けの
可愛い結菜が微笑んでいた。

スクロールして…と!

「えっ、えっ、ななんで、」
 親指で何回もスクロールする。

 婚約?って! 忘れてってなんだ?
 何で別れ話になってんだよ~!!




何回も連絡とるけど本当に着拒&
ブロック?俺何かしたか?

ハグ、デート、飲み…3outー??
見てた訳ないしバレない限り大丈夫。
みられてない限り?

確かに…

まさか…見てたとか…?
 まさか、 ナイナイ

俺はばばばと着替えて頭をサササー
となでる
家政婦さんに、後を頼んで空港へ
向かう。

「う~ヒコーキ待ってくれ~
 俺を助けてくれ。~~」
 呑気に二日酔いかましてる場合で
はない!!


無常にも飛行機は飛び立った後だ。

もう駄目だ。
絶望感に押しつぶされながら次の
飛行機を待っ。
ビジネスクラスが運良くとれた。
俺は弁解ばかり考えていた。

なんて言おう。
なんて謝ろう。

許してくれるだろうか?



このままって事もある。
何でバレたんだ!いやそもそも
幼なじみと食事したらNGか?。
それって浮気なのか?



確かに飲みに行った。ウンウン
女の子たちと遊んだよ。アソンダアソンダ
でもみんないただろう?
駄目か?



呑んで騒いで、ノンダノンダ
確かに昔の俺と勘違いして誘って
来たよ。だけど何にもしていない。
キリッ


女の子は確かに
「婚約者が出来るとか、あり得ない!
光寿郎のバカーって泣かれたよ。
ただ慰めただけだよ。ソーダ。

婚約者は桜の事じゃない!
結菜の事だ!!キリッ

女の子にメチャクチャ叱られたさ。
真面目は似合わないって!!


イライラしながら一睡も出来ない。
せっかく撫でつけた髪を
グシャグシャにかき乱す。


19時間日本に着くまで気が変に
なりそうだ。
泳いで行きたいくらい時間が
うっとおしい。


長い長ーい時間がやっとすぎた頃、
空から街が見えて来た。
3月とはいえ、花冷えする頃だ。


頭の中は、結菜結菜結菜

どうしょう!どうしょう
呪文のように頭の中で繰り返している。


マンションにすっ飛んで帰ると
結菜の荷物はスカーンと消えていた。
風呂場の洗面台の化粧水、
歯ブラシまで何にもない。
携帯は相変わらず着拒。


ヘナヘナヘナと腰から抜ける。
振られた、俺が…?

光寿郎は車をとばし結菜のアパートへ
走った。
信号でイライラしながら


得意のピンポン攻撃をかませる。
出て来るまで押し続ける
ストーカーへと変化していく俺。
ここまでくればタイーホのレベル。



バコーンとドアがあき引きつった
笑顔で結菜が見て来る… 


「あれっ!婚約者が居ながら
何の御用でしょう?」

「ちが…違う。誤解!! 」
        

「あら‥そう。」

「うん嘘しまゃない!」
 慌ててかんでしまった。

「で!! 」

「で!!って? 」
           

「御用件!"」

「着拒、ブロック止めて       
くれ。心配するし。」

「着拒されそうな心あたりは?」


  「…すこ…すこし‥だけ。
     
ご、ゴメン!!。」









 



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