先生が私に恋をした
「俺のは参考にならないと思うよ
付き合い長くて、奥さんに決断迫られてなんとなく結婚した感じだから」
「そ~、、、なんですね」

私と同じだ
私も彼に結婚の決断を遠回りしずっと言ってきたから
奥さんもきっと“結婚”という二文字に縛られていたんだ
それが結果としていいか悪いかは分からない

けど、、、やっぱりお互いの気持ちが重ならないと
結婚はしたくない

先生は今結婚して良かったと思ってるのかな、、、

眼鏡を外して目を閉じる先生

「こめかみをおすと少しは楽ですよ」
自分のこめかみに握り拳を当ててみせる

ニコリと笑って
「奏さん、してくれる?」

私の説明分かりにくかったかな
そう思って
「いいですよ」

先生に近づく
グッと距離が縮まったとき、、、

「奏さんと仕事してる時間が一番心地いい」

先生のこめかみをマッサージし始めるとそう言って
静かに目を閉じた
結婚よりも仕事の天秤が僅かに勝った瞬間だった


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