両想い喫茶


「あぁ今日もダイキくんかっこいい!」

「ねえ、あんた本当に告らないで
3年間過ごすつもり?」

「そんな、告るとか、ありえ、ないし。」


私は見てるだけで十分だよと答えると


ため息をつく彼女は親友の神宮寺真希。


私の片想い相手は野球部の中村大毅くん。
クラスは違うし喋ったこともないという
何の接点もない私と大毅くんだけど、


私が一目惚れで勝手に目で追っているだけの関係。





私は大毅くんと同じ学校というだけで幸せを感じている、まるでアイドルとファンのような関係なのに

でも付き合いたいと思っていないわけではない

むしろそっちの気持ちの方が多いのも事実で。



人間はなんて欲深い生き物なのだろう。




「じゃあまた明日!」

友達と別れると私が向かうのはグラウンド。

どんな忙しい日でも欠かしていないこの日課は
自分でもストーカーなのではと悩むほどヤバい日課だけど大毅くんを見た瞬間そんな思いはすぐに消えた


心臓が速くなる音がして顔に火照りを覚える。

「大毅くんが…スイングしてる」


野球部なんだから当たり前だ。


でもそんなことでさえトキめいてしまっているのだから重症すぎる







家に帰って思い出す今日の出来事


大毅くんが友達とわらいあってるのをみて
ついわたしもつられて笑うと
真希に見られてすごい冷めた目で絶交の手前だよ
と言われた。

悲しい



そろそろお風呂に行こうとすると
通知音がなりスマホを開く。



真希からだった




「ねえ、今度ここ行かない?」

一緒に送られたサイトに飛んでみると



「両想い喫茶…?」





どうやらそこは片想いの女子がいくと必ず両想いになれるというなんとも胡散臭い内容だったが


なぜか「行きたい」と送ってしまっていた












あれから真希と時間などを決めて1時半に駅前でということになった




大毅くんと両想いになんて無謀すぎる。




喋ったこともないし喋りかけることも緊張して思うようにできないだろう。






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