初恋レモン
俺は雑念を消すためにも
シャワーを浴びて
ゆっくりお湯につかることにした。


…だけど、髪を洗えば
菜々と同じ香りが自分からして
余計に菜々を考えてしまった。


どうしても消えない
この感情は結局は自分自身で
セーブするしかないみたいだった。



上がってリビングに戻れば
まだテレビの前にいた菜々。


「菜々、お風呂ありがと。」


そう声を掛ければ、
菜々は何故か焦った様子で
急いでお風呂場へと向かって行った。


…?


顔が赤かった気がしたけど
気のせいだよな。


俺はまだ菜々の温もりが残るソファに座って
1人、気持ちを落ち着かせることに
集中した。


海人Side END
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