初恋レモン
あ…、そっか。
海人君は冷たいってイメージ
持たれてたんだっけ。


確かに、今の笑顔は
女の子たちが騒ぐのも無理ないと思う。


当の本人は何事もなかったかのように
食べかけのパンに
かぶりついていた。


「俺たち以外の事で
海人が笑ったの久々に見たな。」


「今日は海人の久々がたくさん
見れる日だな!
まぁ川口ちゃんのおかげか!」


2人の会話の中に私の名前が出てきて、
よく分からなくて首を傾げていると
正面でさくらちゃんが
ニヤッと笑うのが見えた。


「よし、菜々行こっか。」


お弁当が食べかけなのにも関わらず
私はさくらちゃんによって
教室から連れ出されてしまった。


「どこ行くの?」
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