初恋レモン
「風間先輩を使って
海人を嫉妬させて告白させよう!」


私の肩にポンッと手を置いて
提案してきた。


いや、それはちょっと…。


「誰かを利用するなんて
そもそもよくないし、
それに海人君が嫉妬なんて…。」


してくれるはずない。


きっと海人君は仕方なく私を選んだんだ。
まともに話す女の子は
私かさくらちゃんしかいないから。
さくらちゃんは光輝君の彼女だから、
私を選ぶしかなかったんだ。


少し冷静になった私の頭は
その考えで納得し始めていた。


「菜々、悪い方に考えないの!
全部顔に出てるから!
もう、本当に素直!」


ニコッと笑って続けた。


「よーく考えて。
海人の菜々に対する態度と、
他の女の子に対する態度、
全っ然違うでしょ?
私は菜々がマイナスな方に考えることは
なにもないと思うよ?」
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