外見9割、性格1割。

愛琉「あんたも相当、病んでたんだ。」

築「俺は産まれた時からずっと病んでる。
そんな俺を変えたのが彼女だった。」

聞いてもいないのに鬼男は
そんな事を話し始める。
もしかすると私を諦めさせる為
なのかもしれない。

築「高校3年の2学期に引越してきた
彼女に裏サイトの存在を俺は教えた。
そろそろ飽きてた頃だったから
新しい刺激が欲しかった。
さあ、こいつはどんな人間なんだろうと
期待した。でも、彼女は応えなかった。
反吐が出るほどの偽善者だった。
理想を語るだけ語って、綺麗な言葉しか
書き込まなくて俺はガッカリした。
だけど、不思議と心が洗われた。
彼女の一言一言が俺を救っていった。」

鬼男の話なのに鬼男の話じゃないみたいで
やっぱり私には当時の鬼男が
想像出来なかった。
だって、私は根は優しい鬼男しか
見た事がないから。
心の底までドス黒い鬼男は知らないから。

でも、例え、それが諦めさせる為に
言った言葉だったとしても
私はそれが嬉しかった。

見た事のない、私の知らない鬼男を
知る事が出来た。
< 173 / 424 >

この作品をシェア

pagetop