ボクは初恋をまだ、知らない。
「花鳥風月」も、ボク以外の3人は
彼氏彼女がいる時期があったみたいだ。

啓介はともかく、
薫は中学時代たぶん2、3人いた。

翔は、モテるからそこそこ経験してきているのかと思ってたけど、中1の1年間だけだったらしい。

ボクはまだ、
初恋すらしていない…。

「いてっ!?」

物思いにふけていたのを悟った啓介が、
ボクにデコピンをくらわせた。

「おいおい千影ー?まさかボクだけまだ恋愛してないとか言うんぢゃねーだろな?」

「うっ!?バレてる…」

「あら、そんな事気にしてたの?」

「へぇ、興味はあるんだな。」

3人がまじまじと見てくるから、視線が痛くて慌ててしまう。

「ちょ!何だよそんなに見るなよ!///
そりゃあっ確かに初恋もまだだし…
正直、羨ましいって思う事あるよ?」

やばい、顔が熱い。今、絶対顔、赤いよ。

「千影、顔真っ赤で可愛い!」

からかってくる薫の顔をボクは手で隠した。

「ほんとそうゆうとこピュアだなぁ。
まぁいって俺らまだ高校生だぞ。」

啓介はニヤける所か、ボクの性質に感心している。

「そうそう。初恋がまだでもいいぢゃん。そのうちふとした時に気付くかもしれないしね。」

翔が啓介を見てそう言ったが、
なんで翔の方がニヤニヤしてるんだ!?

「もっ、もぉーっ!!この話おわりっ!
さっさと教室戻るよー?!」

強制終了した所で、ボクは皆の背中を押して進行を促した。

「…千影!好きな人できたらまず!
俺に報告するんだぞ!?」

「わっ!分かったからぁ!//」

啓介がまた、渋い良い声で「嫁入り前のお父さん」みたいな事を言い出して、薫と翔も笑っていた。
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