クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


ガチャ


っ?!



勢いよく開けられたドアに驚いて、思わず早凪くんから身体を離す。


壊れて開かなかったはずのドアが、開いた。


「はっ!!早凪いた!なんでこんなところで寝ているの?早凪!早凪起きて!莉々、今年も早凪に会いに来たよ!」


目の前には、寝てる早凪くんの肩を優しく揺する、赤いリボンでツインテールをしている女の子。


この子……一体……。


丸襟付きのグレーのふわっとしたワンピースが本当によく似合っていて、まるでお人形さんだ。


この子、早凪くんのことを呼び捨てで呼んでいるけど、知り合い、なのかな?


「って……この子、誰?」


早凪くんが目を開ける前に、私に気付いた女の子がこちらをギロッと見てそういった。


早凪くんを起こす時の声と全然違って、びっくりする。


< 214 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop