俺の彼女は、キスができない。
第三章
日替わり。
「おはよー」
「柚子ー!お帰りー!」
クラスメイトの山崎さんが、ギュッと抱きしめてくれる。

「あ、ちょっと」
「待ってたよー!心配させてー!やめてよー!」
山崎さんは、私の言葉を遮って、喜んでる。
私を抱きしめる力が、強かった。


そのあと。
『お帰り!』
『帰ってきたな!お帰り!』
男女関係なく、私に声をかけてくれた人は、沢山いた。


嬉しかったけど、私には一つ、心残りがあった。
ゆっくんが。いない。
嫌いなったはずだった。
けれど、どうしても忘れられなかった。
もちろん、キスしたことは怒ってる。
でも、でも。
私の近くに、君がいないと、私。
私、これから、どうすれば良いのさ。
分かんないよ。ゆっくん。


ゆっくんとは、連絡が取れなかった。
きっと、私の気持ちを察したんだろう。

そんな、そんな。
もう付き合わなくて、いいから。
だから、顔だけでも見せてよ。
涙が溢れそうになるのを、必死に堪えた。
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