だから何ですか?Ⅲ



「・・・・冗談だ。お前の言う通りでお前の在り方でいいと思う」


「っ・・・・・・はい、すみません」


「だから、冗談だから謝るな。・・・・多分、亜豆も同じ事を言う」




冗談だという割に相変わらず無表情であるから本気で冗談としていいのか躊躇いの苦笑いが浮かんでしまう。


そんな俺を他所にようやく亜豆の頬から指先を離した姿が入り口で控えていた秘書らしき姿に目配せしてから歩き出す。


それでも数歩、不意に振り返ると動きを見せない俺を見つめ、



「行くぞ。まずは亜豆を病院へ、それからきっとバタバタとお前も忙しくなるだろうさ。警察に被害者として事情説明とかな」


「あっ・・・はい、」



そんな声かけに冷静になって身を動かして、大道寺さんの背を追い入り口に向かって出際に高城を振り返る。


おかしな真似をしないように大道寺さんの秘書が添っていて、その横で呆けている高城を見たのが最後。








後日からしばらくTVの画面で高城の顔を見る事となった。






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