once again〜season2〜

私ですか?

「あ、そこで結構です。すみません」

車を停めてもらおうと、声をかけた。

「佐伯の家はここら辺か?違うだろ?」

「え?な、なんで…」

運転してる事もあり、前を向いたまま話した。

「さっき、君を送るとなった時に人事ファイルにアクセスして、佐伯の履歴書を確認したんだ。住所に書いてあったのはもう少し先だっただろ?違うのか?」

さ、さすが、秘書室長…
仕事早すぎでしょ。
唖然としていると、続けて氷室室長が言った。

「家に上がる、なんて事ないからな。心配するな、ちゃんと家まで送るから」

「いや、そんな家まで行ってもらうのが申し訳なくって…」


慌てて否定すると、口角を上げて室長は笑った。そして信号が赤になった事をいい事に、車を停めると私に向かって言った。

「じゃ、上がっていいって事か?」

「え…な、なんで…そうなるんですかっ」

首を激しく振ると、ハハハと大きな声で室長が笑った。

「やっぱ、高瀬と同じか。その反応いいね」

涼香と同じかって…
もしかして、室長って涼香の事好きなの?

「顔に出てるよ。高瀬の事好きなのか?って」

慌てて顔を押さえた。
バレてる?室長って超能力あるんじゃ…

「いや、ほんとに、超能力なんかないから。だいたい想像つくでしょ」

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